文横だより2025年 3月号をお送り致します。
 
◆3月の読書会
日 時:  3月 1日(土)17時〜19時
場 所: 神奈川県民センター内、会議室
テーマ: 『飛ぶ教室』 エーリッヒ・ケストナー
 担当者: 山下さん
 
出席者:(リアル)(敬称略)
鶴見、清水、篠田、佐藤、山下、林、森山、阿王、藤原、寺村
野田、中川、遠藤(悟)、酒井、赤川
  
「掲示板」からの参加(敬称略)3/1現在
山下、清水、酒井、成合、藤原、中川、野田、森山、阿王、
 
以下、読書会担当者・山下(上条)さんより
 
ケストナー『飛ぶ教室』読書会の結果報告
2025/3/3
上条満
 
 ケストナー『飛ぶ教室』への各自の感想は、作品に対する好悪が比較的はっきりと分かれていたという印象を受けました。
 ケストナーの作品を初めて読んだという人や児童文学には関心を持っていないという人は、文章が読みにくい、表現が冗長である、展開がわざとらしい、予定調和にはリアリティがない、価値観の押しつけがある、というような感想が述べられました。これに対して、ケストナーの作品に親しんできた人や児童文学への関心の高い人は、子供の頃に読んで感動した、以前に一読して傑作だと感じた、文章には奇抜な表現やユーモアもあって面白かった、というような感想が述べられました。
 この作品を読んで創作の上で参考になるものや啓発されるものを感じたという具体的な感想はありませんでした。ただし、児童文学には子供の道しるべとなる大人の存在が必要であるが、この作品には典型的な形で道しるべとなる大人が描かれている、という指摘があり、この指摘には、児童文学に慣れ親しんでいない担当者としては非常に啓発されました。また、この作品には翻訳者が異なる何通りもの本が出ており、翻訳者によって文章がかなり異なるとのことで、最近の本の方がより読み易いという指摘もありました。
 中には、この作品は短篇小説ではないので、短篇小説を書く上での参考にはならないという感想もありましたし、ケストナーの戦時中の反ナチス姿勢に疑義を呈する感想もありましたが、これらの感想は、この作品を読書会のテーマに選んだ担当者にとってはちょっとショックでした。
 全体としては、いろんな感想が述べられて、時間一杯まで活発に発言がなされましたので、読書会としては、非常に盛り上がったと言って良いのではないかと思いました。
 
※ホームページの掲示板には読書会のレジュメと結果報告の両方がアップされています。
 
◆4月のスケジュール『文学横浜』第57号合評会/総会/懇親会
[合評会]
日 時:  4月 6日(日) 9時30分集合 昼食をはさみ午前・午後両方の実施
場 所: 神奈川県民センター内、会議室
テーマ: 『文学横浜』第57号
[総会]
日 時:  同日 16時20分から開催
場 所: 神奈川県民センター内、合評会と同会議室
[懇親会]
日 時:  同日 18時30分から開催
場 所: 『北海道』横浜天理ビル店
   
◆5月の読書会スケジュール
日 時:  5月 10日(土)17時〜19時
場 所: 神奈川県民センター内、会議室
テーマ: 『終電は1時7分』 井上荒野 『夜を着る』(文春文庫)所収 
担当者: 武内(原)さん
 
◆6月の読書会スケジュール
日 時:  6月 7日(土)17時〜19時
場 所: 神奈川県民センター内、会議室
テーマ: 『小さな王国』 谷崎潤一郎  青空文庫所収
担当者: 河野さん
(担当者より)「全集くらいにしか収録が無く、10数年来の懸案でした。
この度、やっと、青空文庫に取り上げられました。 河野」
※「青空文庫」は無料で読めるウェブのこと。紙の本が手に入らない場合、「青空文庫」で読んでくれば本(紙)の持参はしなくてもよいです。スマホやタブレット等のご持参はご自由に(篠田) 
 
◆7月の読書会スケジュール
日 時:  7月 5日(土)17時〜19時
場 所: 神奈川県民センター内、会議室
テーマ: 『樹影譚』 丸谷才一 文春文庫の作品集「樹影譚」収録(川端康成賞受賞作品)
担当者: 藤原さん
(担当者より)「アマゾンやブックオフなどで、まあまあ安価に購入可能です。
図書館を利用できる方は、さまざまな書籍に収録されています」
 
◆8月は休会
 
◆9月以降の読書会担当者(敬称略)
寺村、野田、中川、岡井、山口、福島、中根、篠田、佐藤、小鍛冶、
阿王、成合、遠藤悟、酒井、藤本、鶴見、赤川
の順となります。
担当者はテーマが決まりましたら篠田までご連絡をお願い致します。
注)ご辞退、順番の変更等がありましたら、調整しますのでご連絡をお願い致します。
  また漏れや今まで辞退していたが担当ご希望の方がありましたら、ご連絡をお願い致します。
注)担当者は原則リアルにもご出席をお願い致します。
 
◆読書会テーマについて
原則としてできるだけ短編が望ましいです。
同じく本は安価で購入できることが望ましいです。
ただし上記について例外を認めない訳ではありません。
 
お問い合わせ、ご相談はお気軽に直接TELまたはメッセージでも大丈夫です。
   
連絡先 篠田まで
AD <taizo_shinoda@chic.ocn.ne.jp
TEL  090-3146-3077
 
以上、篠田

横浜国立大学(2023年3月 中川撮影)
2025/3/12